熱とともに身近な存在である湿気。でも、湿気も同様に目で見ることはできません。
目で見ることができないものであっても、その性質や動きをイメージできることが重要です。
「湿気」とは気体となった水、つまり「水蒸気」のことです。
気体の水蒸気では分子の運動量がとても多くなり、結びつきのほとんどない分子が、
自由に空間を飛び回っているイメージとなります。
地球上にある大気の中には、常に水蒸気が含まれています。
四季のある日本では、雨量や気温の変化と共に大気中の水蒸気の量が増減しており、
夏の蒸し暑さや冬の過乾燥など、人の感じる快適性には湿気が大きく関係しています。
建築環境を考えるうえで、屋内の水蒸気量やその移動によって起こる諸問題、中でも
建物に悪影響を及ぼす「結露」という現象を理解し、それを防ぐためにも、
水蒸気のもつ性質をきちんとつかんでおくことがとても大切です。
湿度といえば「相対湿度」をまず思い浮かべると思います。
でも、湿度の動きや結露のことを理解しようとすれば、もう少し広く湿度というものをとらえる必要があります。
水蒸気を含んでいる空気のことを「湿り空気」といいます。
実生活で触れている空気には必ず水蒸気が含まれているので、
この「湿り空気」というのは特別なものではありません。
これに対し、空気から水蒸気を取り除いた空気のことを「乾き空気」といいます。
空気に含まれる水蒸気の量が、次第に増加してある量に達すると、これ以上は含むことができないという限界に到達します。
この時の水蒸気の量のことを「飽和水蒸気量」といいます。
飽和水蒸気量は、気温によって変化し、高くなるほど飽和水蒸気量も大きくなります。
つまり気温が高いと、空気の中にたくさんの水蒸気を含むことができるということです。
「湿度」とは、空気中にどれだけの水蒸気があるかを表す尺度です。
【湿度を表す種類とそれぞれを相互換算する計算式】
◆水蒸気分圧(水蒸気圧):[単位:Pa ※旧単位mmHg]f
空気がもっている全圧力の内、空気中に含まれている水蒸気がもつ圧力を表したものです。
水蒸気には分圧の高い方から低い方に移動する性質があるため、水蒸気が物体間を移動する流れを示す湿流、
透湿を表す時などに用いられます。水銀柱の高さから求められた圧力で表します。
◆重量絶対湿度=混合比:[単位:kg/kg DA又は g/kgDA ※DAはDRY AIRの略]X
空気中の水蒸気の質量と、水蒸気以外の乾き空気の質量1kgとの混合比です。その空気の温度が変わっても、
そこに含まれる水蒸気の量が変わらなければ、重量絶対湿度は変化しません。
◆容積絶対湿度:[単位:g/㎥]σ
単位容積1㎥当たりの空気中に含まれる水蒸気の質量を表したものです。
◆相対湿度:[単位:%]Փ
ある湿度の空気が含むことのできる最大の水蒸気量(飽和水蒸気量)に対する実際の水蒸気量(絶対湿度)の
割合を表したものです。その空気の温度が変わると、水蒸気量が変わらなくても相対湿度は変化します。
相対湿度(%)=絶対湿度(存在水蒸気量)/その湿度の飽和水蒸気量×100
絶対湿度=相対湿度(%)/100×その温度の飽和水蒸気量
◆湿度の相互換算式
・容積絶対湿度σ[g/㎥]=2.167×水蒸気圧f/絶対温度T
・重量絶対湿度x[kg/kg DA]=0.622×水蒸気圧f/(大気圧P-水蒸気圧f)
◎絶対温度T=そのときの気温+273.15[℃]
◎大気圧P=101 325[Pa]
湿度とそれを含む空気との関係性は、「湿り空気線図」または「「空気線図」という図をみるとよく分かります。
湿り空気線図からは、空気の温度変化によって含み得る水蒸気量(絶対湿度)、相対湿度100%の飽和水蒸気が水となる(結露する)ときの湿度を示す「露点温度(露点)」、さらに単位質量当たりの空気がもつ熱量を示す「比エンタルピー」までを読み解くことができます。
グラフを構成している各要素、乾球温度(温度計に表示される温度)・湿球温度(湿った布で覆われた温度計で表示される温度。湿った布からの蒸発速度に影響される温度のこと)・絶対湿度・相対湿度・露点温度・比エンタルピーなどのうち、いずれか2つの値が与えられることで、そのときの空気の状態を示す点が決まり、ほかの要素値のすべてを求めることができます。
横軸には湿度、縦軸には絶対湿度が示されています。右上がりの放物線は相対湿度を示す線です。
1番左上の放物線が相対湿度100%、つまり水蒸気をこれ以上含めないという限界の飽和状態を表す線になります。
【湿り空気線図】
図上のA点は温度25℃相対湿度70%の空気を表しています。
A点を右へ平行移動すると絶対湿度を読むことができます。
「0.014kg/kgDA(=14g/kgDA)」がその空気に含まれる水蒸気量=絶対湿度です。
次にA点を左へ平行移動して、つまり空気を冷やしていくということですが、相対湿度100%の
放物線と交わったB点がその空気が飽和状態になったことを示す点です。
これ以上この空気を冷やすと含みきれなくなった水蒸気が水となり結露が発生するということです。
この飽和点B点から垂線を下ろしていくと、空気が飽和状態となる露点温度を読むことができます。
「19℃」と読めたでしょうか。
このように、気温と相対温度が分かっていて、気温と水蒸気量との関係がわかる資料(露点温度表といいます)
があれば、湿り空気線図を使うことで、ある条件の空気が結露する状態を具体的に知ることができます。
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